1.ビザ交付の仕組み
日本に入国し中長期間在留することを希望する外国人は、日本の在外公館(外国にある日本の大使館・領事館)からビザ(査証)を発給してもらう必要があります。
在留資格認定証明書(COE, Certificate of Eligibility)とは、出入国在留管理庁(入管)が、この証明書を提示した外国人に対して中長期在留のためのビザを発給して問題無いことを、在外公館に伝える書類です。
在外公館でビザを発給してもらった外国人は、日本に入国するときに、このビザを入国審査官に提示することによって、予め認定された在留資格と在留期間が許可され、在留カードの交付を受けます。
2.申請取次
在留資格認定証明書の交付を受けるためには、日本に入国し中長期の在留を希望する外国人本人、あるいは、外国人を日本に呼び寄せて中長期間在留させたい雇用主や親族が、在留資格に見合った経歴や能力などを、その外国人が有していることを書類で証明しなければなりません。
入管は、在留資格別に提出すべき書類のリストを公表しています。しかし、慣れていないために判断を誤って違う書類を提出してしまったり、記載した内容が不正確であったり、適切な申請理由書や補足資料を準備出来なかったりした結果、許可されるべき申請が許可されない恐れがあります。
当事務所の仕事は、このような失敗を防ぎ、許可されるべき申請は必ず許可されるように、依頼人様をサポートすることです。
当事務所がサポートして作成した申請書類を入管に取次ぐ際、その申請書に取次者としての当事務所に関する情報を記載します。そうすることによって、入管としては申請を受理する段階で、入管に承認された行政書士によって、ちゃんと内容が確認されていると認識できるわけです。
3.在留資格の種類
当事務所がよく依頼を受けるのは、「技術・人文知識・国際業務」(技人国)、「企業内転勤」、「芸術」、「技能」、「家族滞在」、「特定活動」、「定住者」などです。
「技人国」は、いわゆるホワイトカラーのための在留資格です。留学生が大学あるいは専門学校を卒業後、そのまま日本で就職する場合、ほとんどが「技人国」を申請すると思いますが、学校で勉強したことと就職先での仕事内容との関連性の立証が難しいケースがよくあります。
「芸術」は舞踏の指導者、「技能」は調理師やスポーツ・インストラクター、「特定活動」は大学卒業後の就職活動や高度専門職の配偶者の就労資格、「定住者」は日本人の配偶者等の実子などの申請を受任しました。
4.会社を経営したい場合
「経営・管理」は、ニュースでも頻繁に報道されたとおり、2025年10月に設立する会社の資本金の要件が500万円から一気に3,000万円に引き上げられ、その他の要件も厳格化されました。
3,000万円も投資して会社を設立しても、「経営・管理」の在留資格が必ず得られるという保証はありません。当事務所としては、在留資格取得より、まず日本にビジネス・パートナーを見つけて事業を立ち上げ軌道に乗せることを勧めています。
日本に在留しなくても、日本で会社を設立し役員に就任することは可能です。この場合、資本金の制約は一切ありません。肝心なことは、事業の成功ですから、日本には出張ベースで来て事業を運営していけば良いのです。
5.申請者は招聘者が多いが、短期滞在中の申請も可
日本にビジネス・パートナーがおらず、外国人が独力で会社を設立し、在留資格「経営・管理」を申請する場合や、大学や専門学校に入学を申請するために単身で来日し、直ぐに入学を許可されて在留資格「留学」を申請する場合、あるいは老親を短期滞在で呼び寄せ、滞在中に特定活動(告示外)への変更を申請する場合などを除き、多くの場合、その外国人を招聘したい企業の経営者や既に日本に在住している親族などが、在留資格認定証明書交付申請の申請者になります。
しかし、上述のケースのように、短期滞在で来日中に外国人自身が申請することも可能です。この場合、短期滞在中に在留資格認定証明書の交付を受けることは難しいかもしれず、一旦、帰国して交付を受けてから改めて来日することになるでしょう。
6.在留資格認定証明書が交付されるまでの期間、「資料提出通知書」への対応
在留資格認定証明書の交付は、羈束(きそく)処分といわれています。羈束処分とは、法令が定める要件を満たす以上、行政庁の自由な判断(裁量)は許されず、法令通りの決定しかできない処分のことです。
つまり、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の一部を改正する省令」(一般的に「上陸基準省令」、又は単に「基準省令」と略称される)その他の法令が定める要件を満たしている以上、入管は在留資格認定証明書を交付しなければならない、ということです。
全ての要件を満たしていることが明らかで、入管が全く問題ないと判断した場合は、思わぬスピードで在留資格認定証明書を交付されることがあります。当事務所が受任したケースで最短記録は13日でした。
その一方で、法令の定める要件を満たしているか微妙な場合、満たしているにも拘わらず、入管として積極的に許可したくないと思われる場合、審査が不当に長引くことがあります。当事務所が申請を取り次いだ案件で最も長くかかったのは、10ケ月半でした。ほかの行政書士の話では、1年以上かかったケースもあるそうです。
このような場合、大概、申請から数か月後に入管から「資料提出通知書」が郵送されて来ます。この通知書は、入管が引っ掛かっている点について、補足資料の提出や説明を求めるものです。これは書面のやり取りとはいえ、入管と対話できる数少ない機会ですから、入管の質問の意図をよく考え、慎重に回答することが肝要です。